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豊島区内で外国の文化に触れる企画 第一弾「レイハンウイグルレストラン」。
記事作成:織田博子(記事一覧)
食を旅するイラストレーター/マンガ家。
「世界家庭料理の旅」をテーマとして、ユーラシア大陸一周半旅行に行ってきました。
池ブルックリンでは絵と食べるの担当。
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マンガ「世界を旅する母ちゃん 駒込で子育て」(しろいぶた書房)、旅のコミックエッセイ「女一匹シベリア鉄道の旅」、「女一匹シルクロードの旅」、「女一匹冬のシベリア鉄道の旅」「女一匹冬のシベリア鉄道 特製余録」「北欧!自由気ままに子連れ旅」「世界家庭料理の旅」「世界家庭料理の旅 おかわり」(イースト・プレス)出版。
今回は、駒込の「レイハン ウイグルレストラン」(ウイグル料理)にやってきた!
私は実はこのお店の常連。
このお店を「MIOSK」(池ブルックリンが発行する冊子)で紹介した時に、店主が喜んでくれて仲良くなったのがきっかけ。
駒込駅から歩いて5分ほど。住宅街の中にいきなりウイグルの世界が現れる。
池ブルックリンメンバーに、お店の第一印象を聞いてみました
豊島区内にウイグルのレストランがあるなんて知りませんでした。
そもそもウイグルについてほとんど知識がなくて、「ウイグル料理」と言われても何も思い浮かばず。いい機会だと思って取材前にネットで少し調べてみましたが、なんとも興味深い!実際に異文化に触れられることを楽しみに取材の日を迎えました。
山手線の線路沿いにパッと現れたお店にまず驚いて、扉を開けて内装の煌びやかさとスパイスの香りにテンションが上がりました。あれ?窓から山手線見えるけど、ここどこ?みたいな(笑)
ウイグルについての知識がほとんどない状態だったので、ウイグルとラグメンについて調べました。結果、ウイグル料理のレストランが日本にほとんどないことを知って、そんなレアな店が近くにあることにまずはビックリ。ウイグルについてもテレビの政治的なニュースでしか知識がなく、中国と文化的・宗教的に同じなのかと思っていました。
住宅街から突如として広がるウイグル世界。店の中はキラキラしていて日本製のものはほぼなさそうですね!ラグや調度品からシルクロードの豊かな文化が感じられます。中華というよりは中東に近い文化の雰囲気です。
えっ!こんなところにこんなお店が?!思っていたよりずっと綺麗!そして店内はキラキラで明るい雰囲気。でもちょっと・・・お店の人がどんな人なのかわからなくて、聞きたいことがたくさんあるけど話しかけづらい・・・
ウイグルってどこ?どんな料理を食べているの?
中国の北西部にある、新疆ウイグル自治区のこと。
シルクロードの中継地点にもあたり、太古の昔から様々な人種が行き交い、多様な食文化を形成してきた地域。
調度品が美しい
池ブルックリンメンバーが食べた料理
店主の奥さん(「レイハン」さんというお名前で、お店の名前と一緒!店主の愛妻家っぷりが伝わる)に
おすすめメニューを聞いて、頼んでみた。
お店の一番人気のメニュー。毎日お店で手作りしているというコシのある麺と、野菜・羊のスープが絡まりあい、奥深い味わい!
ムスリム(イスラム教徒)の民族なので羊肉が多く食べられているのだとか。
羊肉と野菜を炒めて炊き込んだごはん「ポロ」。
干しブドウが入ってるんですね!
材料はいたってシンプルだけど、ごはんに優しい甘みがあってレーズンがいいアクセントになっている!羊肉独特のくさみはほとんど感じないので苦手な方でも美味しく食べられると思います。
お店に来るのは日本人が多いですが、「羊は苦手」と言っていた人でも食べると「臭くないし、やわらかくておいしい!」と言います。
池ブルックリンメンバーが見つけた、隠れた絶品メニュー
メニューのスープの欄に「スイカシュ」という文字が。「スイカ酒?」「写真もないからわからない」と思いながら、頼んでみた。
羊をベースにしたスープで、ピーマン、ダイコン、ニンジン、玉ねぎ、にんじんなどが入っていて、最後にパクチーが盛られている。
これが、びっくりするほどのおいしさ!
「味つけは何ですか?」
「塩です」
塩だけで、こんなに奥行きのある味わいが出るなんて!羊、すごい。
スパイスなども入っていないので、エスニック料理が得意でない方にもおすすめできる。
個人的には二日酔いの日に飲みたいような、やさしい味のスープ。
スイカシュがとても美味しかった!昔タイの屋台で食べたような、パクチーとお肉(羊肉)の煮汁のブレンドがたまりません!(タイの屋台はたいてい鶏ガラスープですが・・。)
シンプルな味付けでさっぱりしているのに味に深みがあります。ジャガイモなどのお野菜もたっぷり入っていて栄養も満点なのではないでしょうか?
野菜と羊肉とパスタ?のスープ?です。野菜の優しさと羊肉の味わい深さ。肉の臭みはなく、ミネストローネのアジア版みたいな感じで日本人ならばきっとみんな好きな味だろうと思いました。スイカシュ、もっと多くの人に知ってほしい!
池ブルックリンメンバー全員が絶賛の「スイカシュ」、ぜひ試してみてね!
ウイグル料理を食べて、ウイグルの文化を知る
豊島区内で外国の文化に触れる企画ということで、初めてウイグル文化に触れたメンバーに感想を聞いてみました。
豊島区内にこんなお店があると知らなかったし、もし来てもこんなにいろんな料理に挑戦しようと思わなかったかも。メニューを見ると、餃子のように包む料理が多いのが意外でした!
取材で来たことでお店の人といろいろお話ができたのも楽しかったです。ウイグルの女性の名前の最後には「花」か「月」を表す言葉が入っているとか、ステキな知識が増えるのもちょっと得した気分。
あと、池ブルックリンのみんなで来るといろんな種類の料理が食べられるのもいいですね。みんな好奇心旺盛だからチャレンジメニューとかもノリでガンガンいける。(笑)訪れるまではほとんど知らなかったウイグルのことですが、今日を機会にもっと知りたいと思いました。
なんせ料理が美味しかった!
中東の味に近いのですが、どこかアジア人好みの味付けがされていて、懐かしいような新しいような不思議な感覚に陥りました。
ラグメンがラーメンの元になっているらしい!とか、ウイグルがシルクロードで中東と欧州を結ぶ重要な役割を果たしていたことや、ウイグル人は女性をとても大事にしていて、女性の名前(語尾)に「月」または「花」の名前を付けて呼ぶ…なんてお話も伺いました。
ラグに様々な楽器の絵が描いてあったり、ドリンクカウンターの上にも小さな楽器が飾ってあったりで、(音楽)文化もとても豊かなのだろうなと思いました。ちなみに、お酒を厨房から提供しないのは、宗教的な意味合いもあるのだそうです。
※筆者コメント:レイハンはハラル(イスラム教徒のための食事)対応のため、厨房とお酒を出すカウンターが分かれているそうです。イスラム教徒も非イスラム教徒も楽しめるお店の工夫がされているところが嬉しい。
今度食べに行ったら、「包んで食べる」系の食べ物にもトライしてみたいです♪(遊牧民族なので、料理を包んで持ち運んだことに由来するのだそうです。中華よりも先に食べ物を包む文化があったのだとか。)
ご主人と奥様のレイハンさん(お店の名前にもなっています)は、ちょっと恥ずかしがり屋ですが、わからないことを聞くと丁寧に教えてくれます。奥様は料理の作り方を、ご主人はウイグルの歴史や文化を。ウイグル料理がいかに中華料理に影響を与えたのか?などなど、知らなかったミニ知識を知ることができて面白いです。
飛行機に乗らずに行ける海外
飛行機に乗らずとも、外国の文化にどっぷり触れられる場所が地元にある。
池ブルックリンはこれからもそんな場所を開拓していきます~!
お店の情報
レイハンウイグルレストラン