大塚の街限定のフードデリバリーサービスを始めた草開大輔さん~アフターコロナのまちを創る人たち vol.1

2020年1月から始まった新型コロナ感染拡大防止の影響で、まちは短い間で大きく変化しています。

新型コロナウィルスは、人体の呼吸器系に打撃を与えるだけでなく、
人と出会い、話し、困った時は助け合う、人間同士の交流を破壊していきました

このような緊急事態において、飲食店などの個人店は大きく打撃を受け、働く人たちは絶望に追いやられています。

そんな大変な状況の中で、新しい生き方を模索する人、人の役に立つために何ができるか考える人、新しいアイディアを実行する人たちが、まちにいることに気付きました。
「制限こそ、クリエイティブの源」を地で行く人たちの活動を紹介し、応援したい。そんな気持ちでこの連載を始めました。

もしかしたらアフターコロナの世界から見たら、方向違いの試行錯誤があるのかもしれない。
それでも、ウィズコロナの時代を生きる私たちは、もがき、苦しみ、その中で新しいまちを作り出そうとしています。
その記録を残しておきたいと思います。


記事作成:織田博子(記事一覧
食を旅するイラストレーター/マンガ家。
「世界家庭料理の旅」をテーマとして、ユーラシア大陸一周半旅行に行ってきました。
池ブルックリンでは絵と食べるの担当。
公式サイトはこちら

マンガ「世界を旅する母ちゃん 駒込で子育て」(しろいぶた書房)、旅のコミックエッセイ「女一匹シベリア鉄道の旅」、「女一匹シルクロードの旅」、「女一匹冬のシベリア鉄道の旅」「女一匹冬のシベリア鉄道 特製余録」「北欧!自由気ままに子連れ旅」「世界家庭料理の旅」「世界家庭料理の旅 おかわり(イースト・プレス)出版。

 


 

 

Contents

大塚の街限定のフードデリバリーサービスを始めた草開大輔さん

 

大塚・地元密着型出前サービス

JR大塚駅周辺を対象にした地元親密型出前サービス「Daiver」(ダイバー)」
いつものお店の味を取り寄せることで、お家でいつものお店を支える試みです。

illusted by 佐藤珠貴

4/28よりサービス開始

 

コロナ流行以前はどのようなお仕事をされていましたか?

飲食店のただの店員として働いてました。
また、飲食店と人の間に入って、なにかきっかけを作ったり乗っかったりしてイベントを考えたりしてました。

誰かから「こんなのやってみたい」とか、「これどう?」って言われたものに対して
たいていYESって言ってたらいつの間にか今の感じになってたかな。

結果はどうであれ、楽しそうでやれることはすぐやる感じ。

 

コロナ流行に伴い、どのような変化がありましたか?

飲食店は営業できなかったり、人件費削減でフリーターが働けなかったりでほんとにツラい。
イベントも店舗の営業ができないからできるハズもなく。
外でやろうにも人が集まることが出来ないのでこれもダメ。人との出逢いを禁止された感じ

 

今、やってみていることは何でしょうか?

営業してる店舗はテイクアウトを出してるとこが多いから、これ運んだらお店も助かるし地域貢献できるじゃん!っていうことで地域の出前を試験的にはじめてみた自分一人だからできる範囲内で

4/28に実際にやってみての感触

ご時世もあるけど、顔を知っている人に届けると井戸端が長いw

まぁそれがこの動きの良いところなんだろうけど。
やっぱりなんか話したいし、なにかしたいんだよねー。

「元気ですかー?」とか「どっか行ったりしてます?」とか雑談をする感じ。

ウーバーいーつでもこの光景が増えればもっと良いんだけど、やっぱり難しいよね。

今週は様子を見て、来週には範囲を拡大して店舗も増やして配達人も二人とかにしてみても良いかも。

嬉しかったのは、直接連絡くれて予約してくれた方とか、
この動きがほかの地域(板橋区)でも始まろうとしていること。

形はどうあれそうやってもんでくれるのは本当に嬉しいなぁと思いましたとさ

アフターコロナ、創りたいまち

出前を利用することによってまちを知るきっかけになれば良いなと。あと単純に自分の良いなと思うお店に潰れてほしくないかな。
今の状況が変わったときにまちの色が全部変わっちゃうのは、住む理由が無くなるのと一緒かななんて。

利用者の方にメッセージをどうぞ

出前の感想とかあれば次に頼むときに電話で直接伝えてほしい。
美味しかった!ごちそうさま!なんでもいいから。
それだけで店舗の人間もカスタマーもなにかが紛れると思うんだ。
ご飯を通したそういうきっかけの実験。

でも皮肉なことにこのサービスが流行るっていうのはみんなステイホームしてるってことだから、結局店舗は売上がそこまで上がらないのよね。

自分の知っている人たちを、なんとか助けたい

「大塚限定」の「自分の手が届く範囲」でスモールスタートで始められた草開さん。
その根底には「自分の知っている人たちを、なんとか助けたい」という強い思いがありました。
言葉少なに語る草開さん言葉の奥にある、まちへの愛情を深く感じます。