豊島区で世界の食文化にふれる料理教室 第二弾は「インド・ラダック地方」!
世界の料理好きの織田、さっそく行ってきました。
記事作成:織田博子(記事一覧)
食を旅するイラストレーター/マンガ家。
「世界家庭料理の旅」をテーマとして、ユーラシア大陸一周半旅行に行ってきました。
池ブルックリンでは絵と食べるの担当。
公式サイトはこちら
マンガ「世界を旅する母ちゃん 駒込で子育て」(しろいぶた書房)、旅のコミックエッセイ「女一匹シベリア鉄道の旅」、「女一匹シルクロードの旅」、「女一匹冬のシベリア鉄道の旅」「女一匹冬のシベリア鉄道 特製余録」「北欧!自由気ままに子連れ旅」「世界家庭料理の旅」「世界家庭料理の旅 おかわり」(イースト・プレス)出版。
Contents
今日のメニュー
- バター茶…発酵した黒茶にバターと塩を入れたお茶
- チャイ…紅茶と牛乳、スパイスを煮込んだお茶
- チュータギ…野菜や肉を入れたカレー状のスープの中に、蝶ネクタイ型の小麦粉の生地が入った料理
- ペマール…バター、砂糖をいれたお茶を大麦粉で練ったお菓子
聞いたことも見たこともない料理に心が躍ります。
まずはお茶でおもてなし。
講師のスカルマ・ギュルメットさんは「私のお茶は料理教室でとても人気です」と自信を見せます。
発酵した黒茶で入れた塩入りのお茶。クナックというそうです。
これをグルグルという器具に入れて、お餅をつくように混ぜます。
グルグルは「お茶をグルグルする」からグルグルなんだそうです。
ラダックでもそう呼ばれているとか。
バターがたっぷり入ったお茶が完成しました!
飲む前に、薬指でピンっと上にはじき、「チョット」と言って神様にささげるのだそうです。
バターが入っていてまろやかな味わい。
私はミルキーの味に似てると思いました。
インド風のチャイも
紅茶の葉っぱをゆっくり煮だし、牛乳、スパイス(カルダモン、シナモン、しょうが)とともに沸かします。
まろやかで濃くておいしい!
次は、ラダック風スープカレーのチュータギ。
にんにく5片(コロナ対策で多めに入れたそうです)を、たっぷりの油で茶色くなるまで。
たまねぎ茶色くなるまで(ドライたまねぎでもOK)焦がさないように
クミンシード、ターメリック、コリアンダーパウダー、黒こしょう、しょうがみじん切り、トマトを入れて煮込む。
じゃがいもやほかの野菜も入れます。
煮込んでいる間に、生地を作ります。
独特の形は、「スープが生地の中をよく通るように」この形なのだそう。
筒状にしたのち、筒状の端をくっつけます。この時、筒状の部分はつぶさないようにします。(生地の中をスープがよく通るように)
生地も入れて煮込み、完成!
カレー風ですが、トウガラシが入っていないので、辛くありません。
上品なスパイスの風味が、どこか懐かしい感じ。
すいとんに似ていると思いました。
「スパイスがお酒やしょうゆになったら、日本でも同じような料理がありそうですね」と参加者さんの言葉。
それくらい、作り方が日本の料理に似ています。
「ラダックと日本をつないで持続可能な未来をつくる」
講師のスカルマ・ギュルメットさんは、20年前に来日。日本語が堪能です。
ラダックはインドに属するため、国籍はインドですが、
「インドにいても、日本にいても、『インド人』とは思われません」と笑います。
ラダックの人はラダック語を話し、チベット仏教を信仰しており、顔つきもどちらかというと日本人に近いような印象。インドのイメージとはかけはなれています。
ラダックは長く自給自足の生活をしてきたけれど、
貨幣経済が入ることで急速にその文化が失われていくことに
スカルマさんは強い危機感を持っています。
NPOジュレー・ラダックを設立し、ラダックの文化を伝え続けています。
「ラダックの暮らしは、伝統的な文化で循環的な自給自足生活を守ってきました。この暮らしから学ぶことで、持続可能な社会の在り方を考えていきたいと思っています」
ラダックの料理を食べながら、ラダックの美しい山岳風景を見て、人生で初めて一番「ラダック」のことについて考えた料理教室。
自分の世界がまた広がった、楽しい時間でした。
池ブルックリン主催のイベント、次回は「世界とつながる料理教室 #11 ムガルカフェのビリヤニ料理教室」 。お楽しみに!