【後編】「日本あんこ協会」について、あんこの未来を交えつつインタビュー!

前編では、豊富なあんこの知識をもとに豊島区のあんこを食べ比べてくださった、「日本あんこ協会」のにしいあんこさん。
後編では、面白すぎる「日本あんこ協会」についてお伺いいたします。


記事作成:かな(記事一覧

pianist
池袋の音楽事務所代表
カフェラテとお菓子をこよなく愛するテレビにも出ているピアニスト🎹

 

 

 


 


記事作成:板垣有(記事一覧

音楽をこよなく愛す、走るライター。
学生時代は水泳で日本選手権に出場した体育会系。

現在はメディアのゴーストライター、雑誌、本、ムック本などを執筆しています。

フルマラソン完走。

 

 


 

日本あんこ協会について

―あんこさんは「あんこに救われた」経験をお持ちだということですが、あんこ協会を作ったきっかけを教えてください。

あんこさんは“まんじゅう発祥の地”として知られる奈良県のご出身。小さい頃からお母さまの作る餡まきが大好きだったそう。

23歳で上京し会社勤めをしていたものの、26歳で仕事でつまずき大きな借金を抱えてしまい住む場所にも困る状態に。

友達も頼る人もなく食べるものにも困っていたあんこさんに、お父さまから、幼いころから大好物だったあんこが届けられました。あんこに込められた愛情がとても嬉しかったそうです。

最後の最後に首の皮一枚でつながったのは、父からのあんこに乗っかってきた愛だったのです。「こんなどうしようもない自分でも手を差し伸べてくれる人がいる。一人でもいるんだったら、もう一回頑張ろう」と思えたのだそうです。

あんこさんのご家庭は母屋ということもあり、親戚中の人たちが集まることも多く、あんこ菓子を囲んでよく皆で食べていたそうです。皆であんこを食べる時間がとても平和で幸せな時間だったといいます

あんこさんにとってあんこは、平和の象徴として心に刻み込まれていました。「あんこは美味しいし、家族の味、ほっこりするというか、“餡”心(あんしん)するし。皆が笑えば世界平和!みたいな。」2009年、広告代理店に就職したあんこさんは、再起を誓いました。

201610月 azsuki.com(和菓子のレビューサイト)立ち上げ

20176月 あんこ百貨店(あんこの通販サイト)立ち上げ(https://anko-dept.jp/

2018年にはあんこ協会を設立し、テレビやラジオなどにも出演され、豊島区だけではなく全国で活躍されています。

※あんこさんは別会社(Rally株式会社)の代表でもあり、マーケティングやPRに関するコンサルティング事業を行いながら、あんこ百貨店もRally株式会社での運営とのことです。日本あんこ協会は独立した任意団体としてすべてボランティアで活動しています。

あんこの魅力を伝える「あんバサダー」たち

―あんバサダー、あんこ部の人数や年齢層、男女比を教えてください。

「あんこ協会員はあんバサダーと同意で日本あんこ協会が認定した方々です。現在の会員は約800。あんこ部員はあんこ協会の準会員と位置づけています。下部組織と考えていただければ。あんこ部員は現在約450名です。いずれも特に会費等はありません。年齢層は幅広くて20代~70代。コアなのは30後半~40代女性です。」

「イベントの目的の一つは、“自分の好きなあんこを発見・体感してもらう”ことにあります。例えば今回、西日本“餡”脚もしたのですが(笑)、やはり地域差があります。

東京3大どら焼きと称されるどら焼きの食べ比べイベントでは、浅草「亀十上野「うさぎや東十条「草月3種を食べ比べしてもらいましたが、“餡”ケートを取ったところ地域差が出ました。

東京の人はうさぎやさん、亀十さんが同率人気くらいで、名古屋の人は草月、福岡になるとまたうさぎやさんとの結果が。大阪ではどら焼きではなく全国の製餡所のあんこの食べ比べをしましたが、他の地方のあんこ屋さんのあんこよりも地元大阪のあんこが美味しいと言われました。

福岡・名古屋でもあんこの食べ比べイベントをしたのですが、やはり“地元のあんこが美味しい”というかたが多くて。“ご当地の人はその地の好みがわかっている”のでは?と仮説を立てていて、今度機会があったら“利きあんこ”のイベントをしてみたいですね。」

―あんバサダーになるための“あんこ検定”の内容は、男女で違うのですか?

「内容は実は同じです。“あんバサダーに求められる能力や見識は男女で変わることはありません”とのこと。ちなみに男女比は現在男性3対女性7くらいです。

期待のあんこ

―あんこ協会さんの活動が広まっている一方で、若い層のあんこ離れも進んでいるといいます。あんこの種類はこし餡・粒あん・フレーバー餡に分かれますが、どのあんこに若い層への期待を託していますか?

「“若い層のあんこ離れ”とよく言われますが、僕の言いかたは少し違って、“そもそも若い人はあんこにそれほど近づいていないんじゃないか”と思います。ちなみに若い人はこし餡好きが多い印象です。滑らかで口当たりがよくて、それこそ生クリームのように食べられるからかなと思っています。

一方で粒あんは味の濃さや小豆独特の渋み・えぐみが特徴で、どちらかというと年齢層の高い方の中に好きとおっしゃる方が多いです。特に大納言は豆の皮の濃い味を楽しむという楽しみかたもあるんですよね。」

ここでめぐさんの意見「お茶好きな人は粒あん、コーヒー好きな人はこし餡が好きというのもありませんか?こし餡のほうがスッキリ食べられたりしますし。」

あんこさん「確かにそうですね!コーヒーも若い人にはフルーティなものが流行っている。苦みがあるものが古臭いものというイメージになっています。大福もフルーツ大福が流行っていますよね?フルーツに白餡やこし餡を合わせるという。そういう味覚になっているのかもしれません。

あんこはわき役なんですよね、結論。名脇役。フルーツ大福でも例えば“いちご大福”なんていちごが主役じゃないですか。抹茶大福でも、あんこの存在感はほとんどない。パフェなんかでも、ちょこっとあんこが乗っているだけ。でも、ないと絶対に美味しくない、まさに名脇役です。」

あんこに囲まれて幸せな笑顔のにしいあんこさん

世界にはばたくあんこ

―豆は世界で食べられているグローバルな食材ですが、あんこの世界進出も考えられるのでしょうか。

「世界で豆料理というと、たいてい甘くせず、しょっぱくしますよね。日本人が“甘いお粥”に“え~?”っとなるように、豆を甘くする発想がない。

スイーツとして出せば、世界に通用しそうですね!そうなるとやはり、こし餡のほうがいいのかな。フランスで流行った樹木希林さんの映画『あん』でどら焼きが紹介されていたり、神戸の「マダムキキ」さんがイタリアにどら焼き屋さんを出店したり、スイーツとして認識され始めていることは確かです。あんこ協会でも“あんこのことを英語で話せる人を増やそう”ということで、宮崎支部長が中心となって英語学習用のポッドキャストをはじめたところです。」

地域振興の理念について

―地域振興は、どのように進めていこうと思っていらっしゃいますか?

「今は不景気です。あんこの市場は小さい。和菓子の市場も。

今の景気でダメなところは、圧倒的な総需要の不足が原因だと思っています。それを解消するには“新しいアイディアや発信の仕方”をやっていかないといけない。あんこを普及振興していく上で、これはあんこ協会にしか出来ないことだと思っています。

それと和菓子屋さんなどはほとんどは庶民、零細企業でほぼオール日本※だと思います。庶民は経済を支える上で一番重要で、庶民の所得が上がれば、それをまた消費に回してもらえる。日本人労働者の所得を増やすロールモデルとして、あんこ業界や和菓子業界が盛り上がってくれればめちゃめちゃ良いなと思っています。

※オール日本…日本人の手で日本のもので作り、日本で販売すること

そして日本文化としてあんこを海外に紹介していく。文化は庶民で定着してこそ醸成されていくので、大衆層が分厚くないといけない。

今は二極化していて、真ん中の大衆層が少ないので、新しい文化が育たない。和菓子屋さん・あんこ屋さんで日本経済を活性化させる見本となって、それが良い影響を与えぐるぐる良いスパイラルになっていく仕組みを作れれば、業界は小さくても一つのインパクトになると思っています。

地方にも古くからの和菓子屋さんがあると思うんですけど、既存のお客さんだけでなく新しいお客さんも来るようになれば、地域活性化につながります。その土地の和菓子屋さんって、地域の交流の場であったり社交場でもありますよね。そういう役割をコンビニだけで果たすことは難しいと思います。もちろんコンビニにも存在意義・役割はあるし、コンビニの和菓子から入って和菓子屋さんの和菓子を食べる、つまり源流に遡って行く可能性もあると思っています。」

トライ&エラーで「日本あんこ協会」の魅力を増していく

―ビジョンに「やりたいことをやって生きている組織、また皆のその規範となる」とありますが、これはとても難しいことだと思います。個人としても難しいですし、組織となればなおさら。どのように実践していくご予定でしょうか?

「なかなか“やりたいことをやる”と言っても何らかの理由ですぐには実践できない人が多いと思っています。以前マツコさんの番組でも意外なあんこの食べかたを紹介したんですけど、“キムチとあんこ”とか。トライ&エラーを繰り返して新しいことをやっていく。もちろん、キムチあんこが僕自身エラーだとは思っていませんが、人によってはそう感じる人もいるかもしれない。何が言いたかったのかって、全くの新しい可能性にチャレンジしてみるということなんです。10回試して8回コケても2回成功すればいいと思っています。新しいことをやっていく中で、新しいあんこのファンが増えていけばいいのかなと。

―池袋を選んだ理由があれば教えてください。

「あまり意識はしてなかったけど、和菓子屋さんが山手線の上半分に多くあるから、というのが一番の理由かと思います。

池袋を振興していこう、盛り上げていこうという気持ちももちろんあります。今後、池袋でイベントを企画することもあると思います。

―今、苦労されていることがあれば教えてください。

「普通に考えたら苦労であっても、苦労だと思っていないので、苦労していることはないのかなって思っています。

あえて言うならば、あんこ部の地方開催の時に、参加者がかなり増えるので会場を探すのに苦労しています^^; 小さくてもいいので会場をお貸し頂ける方が各地方にいらっしゃるとありがたいです。123回開催に分けて参加者の皆さんの顔がちゃんと見える形で開催できると嬉しいんです。

―最後に今後の目標や、キャッチフレーズのようなものがあれば、いただけますでしょうか。

今後の目標は、もちろん

「あんこを通じて世界平和を実現する」

ことです。

そのために、やらなければならないことが山のようにありますが、着実に一歩ずつ実行に移していくだけです。

具体的には、特に「あんこ・和菓子の歴史調査と発信」、「あんこの健康効果の研究と発信」「各都道府県の支部立ち上げ」の3つが大きな柱となっています。

池ブルックリンメンバーと

あんこさんから、深くてためになるお話がたくさん聞けて、とても充実した時間を過ごすことができました♪

ありがとうございました!!


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